ホワイト企業では課長に昇進し、新卒の営業を採用する機会もありました。
現在は20代の若者を採用したいと考え地得る企業に向けて人材コンサルティングを提供する会社を経営しています。
学生時代は営業に憧れました。
日本全国を飛び回り、いろんなお客さんや取引先と打ち合わせを重ねて、売り上げを立てて、と理想の日々を想像したものの、実際に営業をしてみると困難の連続。
これだったら社内にいて定時に帰る生活の方がいいんじゃないだろうか。
私は何度も営業を辞めたいと思うタイミングがありましたが、どうにか営業として10年勤めることができました。
たまたま周りの人に恵まれていて辞めることはありませんでしたが、もう辞めようと思ったことは2回あります。
営業を辞めていく人もたくさん見てきましたが、限界が来るパターンはみんな似通っています。
この記事では私の営業経験、そして私の周りで営業を辞めていった人たちを見てきた経験から、新卒で営業を辞めようと考えているあなたに知って欲しいことを5つにまとめました。
最後まで読めば、あなたが営業を続けるべきなのか、今すぐ転職活動を開始すべきなのか決めることができますよ!
営業を仕事と割り切れない新卒は営業を続けられない
営業をやっていく上での大前提は営業を仕事として割り切ること。
自社が扱っている製品が一番!
何を持って一番かは以下のような要素を複合的に見てお客さんが決めることですが、あなたは自社の製品が絶対に一番だと言い張って売らないといけません。
もちろん嘘はいけませんし、騙してもいけません。
しかし綺麗事だけではやっていけないのが営業職。
お客さんに提出するためにお会社が用意している資料があまりに根拠の薄いものということがあるかもしれません。
あなた自身が誠心誠意販売したとしても、会社のサポート体制が悪いと100%お客さんに迷惑がかかります。
\筆者のブラック企業体験記/
実はこれは私が新卒で入社したブラック企業で営業をしているときに経験したこと。
私はコインランドリー事業を販売していました。
お客さんは「この場所でコインランドリーがしたいから市場調査をしてくれ」と私の会社に頼んできます。
すると私の会社はろくに市場調査も行わず、どのような場所であろうと1年目はちょっと赤字、2年目でちょっとプラス、3年目からはそこそこ儲かり、その後はずっと儲かる、という分かりやすい右肩上がりの綺麗な資料を作成します。
お客さんしての住所を入力したら周りの周辺人口を算出し、それっぽい商圏の地図が出来上がります。
あとは数字をいじったら右肩上がりの資料の出来上がり。
ここまでは会社が作ります。
営業はその資料をもとに「市場調査の結果、この場所でコインランドリーをすると儲かります!」と売り込み、契約となるのです。
しかしろくに市場調査をしていないコインランドリーにお客さんが集まることはなく売り上げは上がりません。
しかし毎月の家賃はかかるし、5年以上の機械のリース代も支払わないといけません。
お客さんはコインランドリーを辞めたくても辞められない地獄のサイクルに入ってしまいます。
私は入社間もないこともあり、幸か不幸かコインランドリーを販売することはありませんでしたが、もし自分が販売したお客さんがこんな地獄のサイクルに入っていたら心に大きな傷を負っていたと思います。
板挟みを乗り越えられない新卒は営業を続けられない
営業をしているとどんなホワイト企業でも経験するのが、板挟み。
メーカーであれば、原材料メーカーと販売店の板挟み。
商社や販売店であれば、お客さんとメーカーの板挟みを経験するでしょう。
どちらの要求も筋が通っていて、その場を収めるにはどっちかに折れてもらわなければいけない。
しかしどちらも折れる筋合いがないので簡単には折れてくれない。
板挟みの状況は営業であれば遅かれ早かれ絶対に経験します。
というか、このような複雑な状況をコントロールするために営業は存在すると言っても過言ではありません。
何も問題が発生しないのであれば、営業は必要ないですからね。
修羅場を何回くぐり抜けてきたのかが営業としての存在価値を高めます。
どれだけ準備をしていても板挟みのトラブルは起こるので、普段からの人間関係作りや二重三重に安全策を講じておく必要があります。
このような状況は年に何回か訪れます。
営業としての最初の関門はトラブルシューティングでしょう。
1回目を潜り抜けることができなければ、営業として続けていくことは難しいと言わざるを得ません。
上司に怒られているのか指導を受けているのか判断する
営業の世界には体育会系のノリが残っていたり、営業部だけがブラック企業体質だったりする会社があります。
理不尽に対して無理に服従する必要はありません。
なぜなら営業部に体育会系のノリが無くても業績の良い会社はあるからです。
手を出してくる会社は流石にないと思いますが、あまりに理不尽に怒ってくる会社は要注意です。
あなたが一生勤めるかもしれない会社で理不尽な人間関係は必要ありません。
理不尽な上司は指導をするのではなく、自分の感情で怒ってきます。
上司も人間ですからときには怒ってしまうこともあるでしょう。
しかし日常的に怒られるのは良好な人間関係ではありませんし、あなたの精神もストレスを蓄え続けます。
一方、怒るのではなく指導をする会社もたくさん存在します。
指導は、良くなかった点を理論的に正されるので、それはそれで怖いものはあります。
しかしあなたが成長する気があるのであれば、絶対に怒られるよりも指導をされる会社です。
営業を3年続けることに意味はあるのか
新卒でやめようと思うと、どうしても3年は続けた方がいいのかな?と考えてしまいます。
しかしもうあなたは営業を辞めたいと思っているのであれば、営業として過ごす3年なんて大した意味はありません。
営業としてやっていく気がないのであれば、新しく進む道に早く転職してそこで経験と知識を積み上げるべきです。
「何事も3年やった方がいい」と言ってくるのであれば、その人のなぜ3年やった方がいいのか根拠を聞いてください。
間違っても「3年やったら分かる」なんていう人の意見に惑わされてはいけませんよ。
3年やって何も分からなかったら悲惨ですからね。
そんな言葉を信じで3年も過ごしてしまっても誰も時間を返してくれません。
そんな無駄になるかもしれない時間を過ごすくらいだったら、あなたが新しい身と決めた道で経験と知識を積み上げてく方がよほど有意義です。
新卒で営業を辞めても転職先は見つかる
あなたが20代であれば転職先はほぼ無限に見つかります。
入社3年以内の方がさらに転職できる幅は広いでしょう。
新卒の時に転職を考えると「経験も知識もないから転職できない」と思いがちですが、20代の若さは会社からするとそれだけで価値があります。
年齢なんて当の本人からすると大した価値を感じないかもしれません。
しかし会社からすると会社の未来を担ってくれるかもしれない原石。
20代のうちに会社に入れておいて育てって欲しいと考えています。
もちろん一生一つの会社にいる人なんてそんなに多いわけではないので、入社した20代のうちの何人かはまた手属していったり独立したりするものだと会社も思っています。
それでも何人かは20代のうちに採用して育てておかないと会社は成長していくことができません。
さらに今は少子化で20代も少なくなってきているので、争奪戦と言ってもいいほど。
そして20代であれば、まだ全く初めての業界や職種への転職も可能です。
新卒から営業だけをしてきたあなたは、今までの社会人人生は営業だけなので、営業にしか転職できないように錯覚してしまうかもしれません。
しかし20代、30代前半くらいまでなら、ゼロから新しい業界や職種に挑戦する人はかなりいます。
あまり自分のやってきたことだけに拘らず、幅広い視野を持って転職活動を行えば、きっと営業よりもあなたが輝けるお仕事が見つかりますよ!